She-la-feeta2004-01-09

以前誰かの日記で「曲を聴いてると風景が浮かんでくる」
というのを目にしたが・・。
自分にも思い当たる節があったので書いてみる。




私は学校までの徒歩20分程度、MDで音楽を聴きながら歩いている。
件の曲、ZABADAKの「五つの橋」は3曲目。
いつも通りの速さで歩けば、ちょうど住宅街を抜けて
田んぼの中の道に差し掛かったところで曲が流れ始める。
いつもより歩くのが遅かったら?
その時は一旦聴くのを止めてしばらくお預け。
木々の生い茂る家の庭先を通り抜ける。
視界が開けてきた所で曲が流れ始める。
イントロのギター、そしてトランペット。
さらにボーカル上野洋子の透き通る歌声。
これから学校へ向かうという暗い考えは何処かへ消える。


この時点で見ている景色は右前方に広がるだだっ広い田んぼ、
道と平行して流れる小川、そして小さな橋が2、3。
まぁ良くある田舎の風景といった所。
イヤホンから流れてくる歌詞は


 青い川には五つ橋がかかっている
 旅の男の肩に揺られ一つづつ渡った。
 春の日は春の歌 雨上がりは虹色
 五つ渡り終えたら 国境いの草原


これを聞いたところ、ちょうど間奏の部分で右を見る。
するとどうだ、不思議な事に今まで田んぼだった景色は
草のなびく草原に一変している。
左に流れている小汚い川(汚くはないか・・)は清流に、
コンクリートの橋は木でできたアンティークな橋に。
・・・・もちろん実際に変わってるはずはないのだが、
それくらい容易に風景が脳裏に浮かんでくる。


さらに曲は進んで次のフレーズ


 見張り塔がそびえる 丘を越えて吹く風
 砂巻き上げてかける 栗毛色のたてがみ


ちょうど目の前には高圧鉄塔。
これまた見張り塔に見えてくる。


稲穂がたなびく、いかにも日本らしい風景に
どことも言えぬ、ファンタジーの世界に出てきそうな
風景を重ねながら歩を進める。


 五つの橋渡って 五つの丘を越えて
 浅い眠りの淵で 夢のたびは続くよ
 夢のたびは続くよ―――


おっと、学校が見えてきた、ふと我に返り時計に目をやる。
急がないと遅刻じゃないか、急ぎ足で学校へ向かう。


もう何十回も繰り返し聴いて、それでもまだ
「今日も一日頑張ろう」と、前向きな気持ちにさせてくれる。
この曲に出会えた事に感謝。