調査出張というよりは半ば旅行な感じで島根県の浜田に着いたのは午後3時頃のことだった。
宿の予約をまったく取ってなかったので観光協会で宿泊所の一覧を貰って宿探し、
前半2日は楽天でビジネスホテルだったので民宿好きの相方に適当に選んでもらった。
案内されたのは小さい港の前の民宿、出てきたのは老夫婦で突然の客にも快く応対してくれた。
部屋は8畳ほどの和室で2部屋用意してくれた、窓を開けると道路を挟んで港が見えるいい部屋を案内してもらった。
まだ日も明るいのであたりを散策してみようとの提案に乗って宿の外に出ると右の山に小さいトンネルがあった。
トンネルの先に天然記念物のナントカ畳ヶ浦があるという、早速トンネルに入ってみると
途中で自然の洞窟に繋がっていてとても幻想的な風景だった、さすが天然記念物。
洞窟を抜けたら千畳敷と呼ばれる岩の上だった、海岸っぽいけど全部岩。
ウニとかサザエがいっぱいいた、ウニって結構動くのね。ウニウニ
夕食はその日に取れたイカとアジ、それとウナギ。
ウナギは近くの川でたまたま採れたのを貰ったそうな。
美味、実に美味。皮も柔らかくてとろけるような食感。
これ1泊2食5500円の料理じゃねーよって感じ。
食後は宿の前の道で夕涼みしながらこのあたりの昔の話を聞いたりして過ごした。
宿の主人は満鉄の職員をやっていたんだそうで当時の話を聞かせてもらった。
唐鐘という地名はここの寺に唐の国から鐘を持って来たからなんだそうな。
その時に船のバランスを取る重りとして石仏を積んで来て洞窟の中に祀ったんだとか。
いやはやこんな辺境の地にそんな歴史があったなんて、なんともロマンを感じさせる話だった。
そんな話を忘れないように書き留めてイカ釣り漁船の明かりと波の音を聞きながら眠りについたのだった。